STORY

物語

西暦995年 京都。 藤原道長が栄華を極めた平安期の都。
道長と安倍晴明の密談により、大江山に棲まう鬼・酒呑童子の討伐を命じられた源頼光たちは、かつて見たことのない様相の敵に道を阻まれる。その正体は歴史改変を目論む“歴史修正主義者”が放った“時間遡行軍“。この窮地を救ったのが、三日月宗近ら歴史を守るべく戦う“刀剣男士“たちであった。彼らの活躍により、無事に任務が完了したはずだったが、酒呑童子の最期の呪いを受けた山姥切国広は、光とともに姿を消してしまう――

西暦2012年 東京。 いつもの帰り道。高校生・琴音の耳に聞き慣れない音が届く。引き寄せられるように向かった先で目にしたのは、禍々しい影と戦う一振りの太刀だった。戸惑う琴音だが、不思議な声に導かれるままその名を口にする。
――三日月宗近」

内閣官房国家安全保障局。 日本各都市では市民が突如意識を失う事件が多発。さらに時間遡行軍が各地に出現していた。時の政府から遣わされた刀剣男士・山姥切長義は並ぶ官僚たちに“特命任務”の開始を告げる。
「特命任務は、この時代に出現した時間遡行軍の殲滅。並びにこの事態への関与が疑われる山姥切国広の確保、状況次第では破壊もあり得る。先行している三日月宗近も捕捉対象とする。要請に応じ、各本丸より戦力が投入される。協力して任務の遂行にあたる。以上」

消えた山姥切国広、それを追う三日月宗近の運命は?
時間遡行軍の真の目的とは!?

日本映画史に新たな ❝黎明❞ を告げる戦いがはじまる。

INTRODUCTION

解説

“本能寺の変”にて、刀剣男士たちと織田信長や羽柴秀吉ら戦国武将が絡み合い、衝撃の結末を描き出し大ヒットを記録した前作『映画刀剣乱舞-継承-』(2019)から4年――戦いの舞台を<現代>へと変え、スケールアップした『映画刀剣乱舞-黎明-』が、ついに完成。

主人公、三日月宗近役に鈴木拡樹。そして山姥切国広役・荒牧慶彦、へし切長谷部役・和田雅成、骨喰藤四郎役・定本楓馬らが前作より続投。舞台「刀剣乱舞」でも同役を演じている山姥切長義役・梅津瑞樹、堀川国広役・小西詠斗、一期一振役・本田礼生、小烏丸役・玉城裕規が参戦、さらに髭切役・佐藤たかみち、膝丸役・山本涼介ら新たなメンバーも顔を揃えた刀剣男士たち。現代での戦いを手助けする“仮の主”役を、秋田汐梨、柳美稀、飛永翼、堀内正美らが務め、中山咲月は酒吞童子という難役を見事に演じ切った。そして藤原道長に柄本明、源頼光に津田寛治、安倍晴明に竹財輝之助という、日本映画界を代表する実力派が脇を固める。

監督は前作に引き続き、耶雲哉治。世界観とリアリティの融合を目指した監督の元に、日本最高峰の美術・衣裳・メイクらの技術スタッフが集結。刀剣乱舞の醍醐味である殺陣シーンでは、ワイヤーワークや最新ドローン技術が駆使され、刀剣男士たちの圧巻パフォーマンスを披露。そしてVFXには「アベンジャーズ / エンドゲーム」など数々の大ヒット作を手掛けてきたチームが加わり、ハリウッド・クオリティの映像世界を届けてくれる。
主題歌は、エモーショナルな楽曲でリスナーの感情を揺さぶり続けるBLUE ENCOUNTが、本作のために書き下ろした「DESTINY」。作品をさらに壮大な世界へと導いてくれている。

CHARACTER

人物

  • 三日月宗近

    太刀

    三日月宗近

    みかづきむねちか

    鈴木拡樹

    平安時代の刀工、三条宗近作の太刀。天下五剣の一つで、その中でも最も美しいと評され、刀剣男士としての姿も平安貴族のような優雅さを持つ。本作では任務中に行方知れずとなった山姥切国広を探して〈現代〉へ姿を現すも、どの時代でも相変わらずのマイペースを貫く。特殊な事情で<仮の主>の力が必要となり、琴音とともに行動することに。

  • 山姥切国広

    打刀

    山姥切国広

    やまんばぎりくにひろ

    荒牧慶彦

    霊剣『山姥切』を模して造られたとされる打刀。オリジナルでないことがコンプレックス。戦いの最中に酒呑童子が最期に放った呪いを受けて、現代へと送り込まれてしまう。そこで仮の主と出会い、行動を共にすることに。

  • へし切長谷部

    打刀

    へし切長谷部

    へしきりはせべ

    和田雅成

    長谷部国重作の打刀。名の由来は、信長が膳棚の下に隠れた茶坊主をその棚ごと圧し切ったことから。その後、福岡藩主の黒田家の重宝として伝来した。山姥切長義の特命任務の要請を受け、仮の主の実弦(みつる)と福岡から東京に向かうが、その道中に時間遡行軍の襲撃を受ける。

  • 山姥切長義

    打刀

    山姥切長義

    やまんばぎりちょうぎ

    梅津瑞樹

    備前長船の刀工、長義作の打刀。長義は長船派の主流とは別系統の刀工となる。写しであると言われている山姥切国広と共に伯仲の出来。本歌としての自信に満ちており、他に臆する事がない。本作では、“時の政府”の刀として『内閣官房国家安全保障局』に派遣され、歴史を揺るがす緊急事態の指揮を執る。

  • 髭切

    太刀

    髭切

    ひげきり

    佐藤たかみち

    源氏の重宝。試し斬りで罪人の首を斬った際に、髭まで切れたことが名の由来とされる。長い年月を経て大抵のことはどうでもよくなったとおおらかに語る。源氏兄弟刀、膝丸とともに“特命任務”を受け、現代へと出陣する。

  • 膝丸

    太刀

    膝丸

    ひざまる

    山本涼介

    源氏の重宝。試し斬りで罪人を斬った際に、両膝まで一刀で断ったことが名の由来とされる。時折兄である髭切に忘れられて嘆いているが、兄のことは敬愛している。仮の主の倉橋(くらはし)と共に東京に向かう途中、時間遡行軍の襲撃にあうことに。

  • 骨喰藤四郎

    脇差

    骨喰藤四郎

    ほねばみとうしろう

    定本楓馬

    鎌倉時代に活躍した刀工、粟田口吉光作の脇差。元は薙刀だったが脇差へと磨上げられた。明暦の大火で焼身となり、記憶を失ったことで口数が少ない。刀剣男士とその主である“審神者”が暮らす“本丸”での異変をいち早く察知する。

  • 堀川国広

    脇差

    堀川国広

    ほりかわくにひろ

    小西詠斗

    安土桃山時代に活躍した刀工、堀川国広作とされる脇差。新撰組副長・土方歳三が和泉守兼定と合わせて愛用していたとも言われる。熱い闘志を胸に秘めているが、心配事があっても明るく盛り上げようとする性分。

  • 一期一振

    太刀

    一期一振

    いちごひとふり

    本田礼生

    短刀作りの名手である粟田口吉光が手掛けた数少ない太刀の内、最高傑作と言われる一振。藤四郎兄弟たちからは「いち兄(にい)」と呼ばれ慕われている。ともに出陣した先で姿を消した山姥切国広と、その後を追った三日月宗近の身を案じる。

  • 小烏丸

    太刀

    小烏丸

    こがらすまる

    玉城裕規

    古来、重宝として名高い太刀。一説には日本の刀剣が「日本刀」と呼ばれる形になる成立過程にある一振であり、自らも他の刀剣たちの父として振る舞う。本作でも不測の事態に動揺する仲間を鎮め、鷹揚に構えて行く末を見守る。

  • 琴音

    琴音

    ことね

    秋田汐梨

    三日月宗近の仮の主。都内高校に通う軽音楽部所属の高校生。モノの声が聞こえてしまう能力を持つ。下校途中に三日月宗近と偶然出会い、仮の主となる。幼馴染の謎の病気の原因を突き止めようとする中、物語の渦中に巻き込まれてゆく。

  • 実弦

    実弦

    みつる

    柳 美稀

    福岡在住の女子大生。好奇心旺盛で話し好き。へし切長谷部の仮の主として、高速バスで博多から東京へ向かう。

  • 各務

    各務

    かがみ

    飛永 翼

    “内閣官房国家安全保障局”勤務の国家公務員。同僚からは「血税泥棒」と揶揄される冴えない男ではあるが、山姥切長義の仮の主となる。

  • 倉橋

    倉橋

    くらはし

    堀内正美

    京都のとある神社の神職。源氏の兄弟刀、髭切と膝丸の仮の主。“特命任務”のため、二振りと共に東京へ向かう。

  • 安倍晴明

    安倍晴明

    あべのせいめい

    竹財輝之助

    名の知れた陰陽師。藤原道長より京を騒がせている“神隠し”の要因を占うよう命じられ、朝廷へと出向く。そこである密約を持ちかける。

  • 酒吞童子

    酒吞童子

    しゅてんどうじ

    中山咲月

    人里離れた大江山に棲まう者。都の人間からは悪事を働く鬼の頭領と恐れられている。藤原道長と安倍晴明の命により、源頼光から討伐を受けた山中に住む民・酒呑童子。彼らの政(まつりごと)の道具に使われたことの酒吞童子の怨念・無念が、多くの災いをもたらす呪いを生み出すことに。

  • 源 頼光

    源 頼光

    みなもとのよりみつ

    津田寛治

    藤原道長の命により、鬼退治に赴く武将。「頼光四天王」と呼ばれる兵(つわもの)らとともに、大江山の鬼ヶ城を目指す。

  • 藤原道長

    藤原道長

    ふじわらのみちなが

    柄本 明

    絶大な権力を持つ公卿。平安時代、藤原家の全盛期を築いた人物として現代にも知られる。安倍晴明との密談によって、源頼光に大江山の鬼退治を命じる。